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ふたりの子供のママの日常から。現在マイアミより発信中。
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メキシコでのある日
金曜の午後。
メキシコでのある日_e0061766_4555657.jpg


スペイン語のクラス終了後、Maleconと呼ばれる、
海岸沿いに広がる この街唯一目抜き通りを一人で歩く。

いつもならバスに飛び乗り、ガタガタと揺られること20分ほどで
家に着くのだけど、気持ちが家に向かない。

足も向かない。

Malecon沿いにちょっと高くなった防波堤によじ登って、ぼんやり海を見ていた。
海から吹く風は、11月に入ってから乾燥していて心地よいものの、太陽はじりじりと
顔や手を照り付けて ちょっと痛いくらい。

夫Sr.BOCAに八当りして、家の中に険悪な空気を送り込んでしまったのは私のせい。
でも、私の説明(言い訳とも言うんだけど。)も聞いてもくれない彼の態度に
私もふさぎ込んでしまって、嫌な空気を残したまま家を出てきてしまった。

波間に目を凝らしてイルカを探してみたけど、見つからなかった。

空に目を向けると、いつものようにペリカンが編隊を組んで飛んでゆく。
いつしか私は、教科書や辞書でパンパンになったかばんを枕に、防波堤に寝そべって
いつものヘッドホンを耳に、鳥たちの行方を目で追っていた。

普段はバスの騒音にまみれて、がさがさとした音質のJuanesの声が、
ここでは目前に広がる一面のブルーと同じくらいに 透き通って聞こえる。
ふさぎ込んでいる自分が 本当にばかばかしく思えるほど、海は青くて空は高かった。

Sr.BOCAに電話をした。

「Maleconで今から一緒に夕日を見ない?」

車で20分かかる距離(ここの交通渋滞は酷い。)なのに、
「5分でそっちへ行くよ。」
と、言ってくれる彼に 申し訳なさと「どうして分かってくれようとしないの?」という気持ちが合い混ざって、ちょっと目の奥がつんっとした。

彼はSOMBRERO(メキシカンハット)をかぶって現れた。
私とどこかへ出かけるときにだけつける香水をつけて。
少し歩いて、また同じ防波堤に、今度は2人で腰を下ろす。

家では、素直に話せなかった私。聞いてくれる様子もなかった彼。
私はもう一度、ここで自分の言いたいことを確かめるようにSr.BOCAに話した。
彼も聞いてくれていた。

些細なことで始まってこんなに時間がかかってしまったけれど、すっかり陽も落ちた頃、
私たちはようやくいつものように普通に話せるようになっていた。

今日は来てくれてありがとう。
一緒に夕日を見てくれてありがとう。
私の話に耳を傾けてくれてありがとう。


それにしても、ここのペリカンたちは本当に大きくて、狩りがうまい。
多分、Brown Pelicanと呼ばれる種 (日本名をカッショクペリカン) なのだろうけれど、
空から急降下してきて、海面にその尖ったくちばしから鋭いダイブをして魚を捕まえる。

メキシコでのある日_e0061766_5583364.jpg


ちょっとこの写真では見にくいけれど、
これが空を飛ぶ姿は とても雄大で 迫力があるのだ。


(写真撮影: BOCAの親友 Jul. 2005)
by vivaboca | 2005-11-13 06:06 | mexican life
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